◇紗楽side◇ 「凜空にいー、そろそろ起きて」 『んー、今起きる』 「今すぐ起きないと、お兄ちゃんの分の朝御飯ないからね。」 『んー、………って、えっ………あ………はいはいわかったから!ほら起きた。』 相変わらず、寝起きが悪いお兄ちゃんの凜空をおこす。それがあたしのその日最初の仕事。 ごはんを作るのも、あたしの仕事。 家事類は全部あたしの仕事。 あたしには母親がいない。 パパとお兄ちゃんとの三人暮らし。