教室に向かう間も、ずっと目で追いかけ続けていた。すると、あいつの後ろから女が来て話しかけた。







「ねぇ……名前何て言うの?」






話しかけられているあいつは、一向に答える気配がない。




「ねえ!きこえてんの!?」




わぉー…ついにキレちゃってんじゃん…。
ってか、なんで答えないのか分からない。



『えっ………あ…あたし?』



っておい!自分だって、気付いてなかったのかよ。



「そうよ。あなた以外に誰がいるって言うのよ。」



………ごもっともです、誰かさん。
ってかこの女誰だよ?



『何ですか?』



………なんか怖いくらい冷静じゃないか。ってか、クールすぎだろ。



「何ですか?じゃないわよ。私、蘭弥生。友達にならない?」



わお!知ってるよ!ここら辺の人みんな知ってるよ!やばいよ、起こらしたら終わりだよ!結城何やってんだよ!



『あー、すいません。あたし、別に友達とかいいです。』


あいつはそのまま教室に向かって歩き出した。