「取ってやれよ。じゃなきゃ飯田昌代も安心して光の道を登れないだろう」


 ネコの言葉に、沙耶香はひとつ大きく頷いた。


 そして、……通話ボタンを、押す。


 その瞬間、部屋の中がパァッと光に包まれた。


 眩しいが、柔らかくて暖かな、そして懐かしいような光。


「お姉……ちゃん」