ネコがそう言ったとき、聞き覚えのある元気な声が響いた。 「こんにちは」 沙耶香だ。 首にはまだくっきりとロープの痕がついているが、気丈に振舞っている。 後ろから、藤堂も入ってきた。 「ケツの穴の治療はどうだ?」 新田がニヤニヤとしながら藤堂へ向けてそう聞いた、その瞬間、さっきまで幸せそうに沙耶香を見ていた藤堂が、サッと青ざめた。 「けっ……結局なにもされてなかったんですよ!!」 慌てて否定する藤堂に、笑いが起こる。