「その代り、愛人としての立場を確立した洋子は、栗田修三に妹である奈々子を殺させたんだ」


「殺させ……?」


 冬我の頭の中が真っ白になる。


なに、言ってやがるんだこいつは。


 ネコの言葉が理解できない。


殺させた?


「戸部洋子は戸部奈々子をねたんでいた。

同じように親がなく施設出なのに、一方は18になると同時に男と一緒に暮らし始め、一方の自分はいろいろな問題が重なり施設から出ることさえできなかった」