男は額に冷えピタを貼付けた後、しばらく冷蔵庫を開けっぱなしにして、その冷気で体を冷やした。


 しかし、最近の冷蔵庫はちょっと焦りすぎだ。

 すぐにピー……ピー……っと注意音を出して『早く閉めろ!』と怒る。


 ため息と共に冷蔵庫の扉を閉めた男の耳に、今度はピンポンピンポン、と聞き慣れた音が聞こえてきた。

 玄関のチャイムではない、暗闇に明かりが浮き上がっている、パソコンだ。

 ベッドの横にある古ぼけた机の上に、これまた古ぼけたデスクトップパソコンが置かれている。