「見えない部分?」
今度は、紗耶香が小首を傾げてきいた。
紗耶香のこの仕種でクラッときた男性陣は数知れない。
しかし、幸也の視線は相変わらず冷たいままで、
「どんな可能性も見逃すわけにはいかないんだよ」
と、なぜだか不機嫌そうに言い放つと、ドカドカとわざとらしく足音を立てながら霊安室を出て行ってしまった。
「ちょっと幸也君! あ、どうもすみませんでした」
最後に藤堂が由佳子に頭を下げ、自分より年下の幸也の後を追い掛けて行った。
二人が慌ただしく出て行った扉を見つめ、紗耶香は目をパチクリさせたのだった……。
今度は、紗耶香が小首を傾げてきいた。
紗耶香のこの仕種でクラッときた男性陣は数知れない。
しかし、幸也の視線は相変わらず冷たいままで、
「どんな可能性も見逃すわけにはいかないんだよ」
と、なぜだか不機嫌そうに言い放つと、ドカドカとわざとらしく足音を立てながら霊安室を出て行ってしまった。
「ちょっと幸也君! あ、どうもすみませんでした」
最後に藤堂が由佳子に頭を下げ、自分より年下の幸也の後を追い掛けて行った。
二人が慌ただしく出て行った扉を見つめ、紗耶香は目をパチクリさせたのだった……。