そんな状態で、ルカは軽く背伸びをし、藤堂の耳元に唇を近づける。 「ねぇ……」 熱いくらいの吐息が吐きかけられて、先ほどまでの寒気が吹き飛ぶ。 「飯田昌代のこと、どこまで分かってるの?」 「……っ……」 君に話すことは何もない。 たったそれだけの言葉が出てこない。 体中が熱でおかされているような、倦怠感。 「犯人、わかったの?」 続けて聞かれると、思わず捜査状況を口に出してしまいそうになる。