いくら夏だといっても、今は多少雨に濡れていて寒気を感じる。


 軽く身震いした藤堂に気づき、ルカは赤い舌をペロッと出した。


 まるでホラー映画なんかで出てきそうな、血のような色をした舌だ。


「寒い……?」


 そう聞くルカの手が、藤堂の腰に回った。


 後ずさりする藤堂に、ルカは詰め寄る。


 そして、大きな藤堂の体を小さなルカの手が包み込んだ。


 お互いの鼓動がハッキリと聞こえてくる。