「そんな話聞いてないぞ!」


「なぁに言ってんのぉ……? 聞かなかったじゃぁん……」


 体をくねらす青年に、藤堂はしかめっ面をして大きなため息を吐き出した。


 すぐに新田へ電話して、この店と専門学校の共通点が見つかった事を知らせなければならない。


 しかし、その時青年の手が伸びてきた。


「なんだ?」


「ねぇ? よかったらさぁ……上がらない?」


「……は?」