「人ん家?」 「そぉ……。ここぉ俺の親が経営してんのぉ……今は店閉めてるけどぉ……ここの二階 から上が家になっててぇ……」 と、店の奥にある扉を指差して見せた。 あの扉の向こうが二階へ続く階段になっているらしい。 「じゃぁ飯田昌代を知ってるのか?」 「当たり前じゃぁん……? 働いてたんだからぁ……」 と言いながらヘラヘラと笑い、だらしなく舌を覗かせた。