「俺は、一番人間味のあるものは魂だと思ってます」


「魂?」


「そう。人間は心臓が止まると死ぬ。だけどそれは入れ物がなくなるだけの話だ。

最後に残るのは魂だけ。つまり、人間の最終的な形はみな魂」


「はぁ……」


 ネコの言っているわけがわからず、新田は首を傾げた。


 と、その時、「あれ?」


 新田が何かを思い出したように眉間にシワをよせ声を上げた。


「なに?」


 幸也が聞く。


「俺は何か忘れてないか?」


「忘れ物か?」


「いや……。思い出せないから、きっとたいしたものじゃないだろう」