今日はそれ以上の進展を望んでいたのだが、まるでダメだった。


 今回の事件のせいで店は今一時的に閉まっていて、詳しい事情を聞けるような人物もいなかった。


「コンビニで傘買ってこい」


 ようやく藤堂の胸倉から手を離し、ため息まじりに新田がそう言いつけた。


 藤堂はまるでその場から逃げるように雨の中を走り出した。


 その時だった。


 見慣れない白い車が止まった。


 怪訝そうな表情をする新田。