突然の訪問者に、紗耶香はキョトンとして玄関先から動けずにいた。


 1人は、専門学校と霊安室で会った事のある、だけど名前は知らない長身の青年。


 もう1人は、背はそこまで高くないが、何故だか人を惹き付けられる魅力を持っている青年だった。


 きっと、2人とも同じ歳くらいだろう。


「なに……か?」


 自分でも笑えるほど、マヌケな声でそう質問した。


「昨日、こいつと会っただろう?」


 幸也がそう言って、ネコを指差しす。


 その行動に、ネコは眉を寄せて幸也の人差し指をグッと掴んだ。


『人を指差すな』ということらしい。