「そう!坂本蒼哉。坂本蒼哉は双子で、お兄さんが坂本修哉」

「坂本蒼哉?坂本修哉?」


世の中には同姓同名の双子さんも居るんだぁー……


じゃ、ないよね!!

私は群集に飛び込んで、お姉様方に不満を言われながらもなんとか最前列に顔を出すことが出来た。

同時だった。

私はその不自然な体制のまま、固まってしまったのだ。


「んー?君はだぁれ?」


ちょうど。
ちょうど目の前に、昨日顔合わせの時私を"妹"と呼んだ人。


「え……」


だぁれ?って昨日嫌ってほど接触してきたじゃないですか。今日の朝も。


「ねぇ?俺の言ってること分かんない?その口動かないわけ」


最後の方すごい低音。
や、やっぱり朝感じた違和感は気のせいじゃなかった…?


「え……あ……2-C 高瀬沙由……です…」


迫力に負けて疑問に思いながらも名前を言った。


「沙由ちゃんね。よろしくー」