屋内のプールは、朝一番という事もあってか、私達以外には誰も来ていなかった。

「貸し切り状態だな?」

「だね?」

私達は軽くストレッチした後、水に入って軽くウォーミングアップをした。

「そろそろ、いいかな?」

「いいよ」

中央の2コースのスタート台に二人で並んで立った。

なんだかちょっと、緊張する。

「100の一本勝負な。この間みたいに手加減したら、許さねえからな」

「うん、分かってる」

「よーい」

私は体を前にグーッと倒した。

「スタート!」

スタート台を力強く蹴り、水面に飛び込んで行った。