「なあ?」

「ん?」

「明日、プール行かないか?」

「ぷ、プール?」

「ああ。近所のプールだけど」

「い、行きます。行かせていただきます!」

「『いただきます』って、おまえな…」

紳君は私の返事がよほど可笑しかったのか、プッと笑った。

ああ、この笑顔が私は好き…

「競泳用の水着でな?」

「はい。あの、優子達も行くの?」

「いや。二人だけじゃ、ダメか?」

「ううん、ダメじゃない!」

私は首を大きく横に振りながら言った。我ながら、飼い主に甘える子犬みたいだなと思った。