「すみませんでした」

しばらくして、ようやく涙が収まった。綾乃さんは、ずっと黙って泣かせてくれていた。

「落ち着いた?」

『はい』と頷き、ティッシュで涙を拭き、チーンと鼻をかんだ。

「何があったの?」

「はい。えっと…」

私は遊園地のプールに行ってから、紳君を怒らせるまでを詳しく綾乃さんに話した。

私が話し終わると、綾乃さんは目を見開いて驚いていた。

「本当なの?」

「はい?」

「本当に紳一が『めちゃくちゃ可愛い』って言ったの?」

え?
綾乃さんが驚いたのは、そこ?

私としては、その後紳君を怒らせて、たぶん嫌われちゃった事が問題なんだけどな…