「負けちゃったあ。悔しいな…」

と言いながら、言葉とは反対に満面の笑顔で紳君に近付いたら、バシャッと顔に水をかけられた。

『きゃっ』と言って手で顔の水を拭って紳君を見たら、怖い顔で私を睨んでいた。

「手加減するな、って言ったよな?」

「し、してないよ…」

か細い声でそう言うと、またバシャッと水をかけられた。

「嘘つくなよ!」

「ごめんなさい。もう一回、やろう?」

私が半泣きで言ったら、「もういい!」と拒絶された。