「お、怒ってないから、放してくれ」

「ほんとに?」

「ほんとに。恥ずかしいし、む、胸が当たってるから…」

「あ、ごめんなさい」

私は紳君のお腹に回した腕を外した。

胸が紳君の背中に当たっていたのは知っていた。というか、わざとぎゅうって押し付けてた。ちょっと大胆過ぎたかなあ。


「ちゃんと泳ぎたくなったんだよ。だからこんな浅くて、人が一杯なところはやめようと思って…」

「他のプールに移動って事?」

「確か普通の四角いプールが、あっちにあるはずだから」

「そっか。じゃあそうしよう?」