水の中って、綺麗だけど息が出来ないのが玉に傷。

私はガバッと水から顔を出し、「急にひどいよ」と言って紳君を睨んだら、紳君はいたずらっぽく笑っていた。

あ、初めて紳君が笑顔をくれた…


そんな干渉に浸る間もなく、紳君はすくっと立って、「出るぞ」と言った。

今笑ってたはずなのに、怒っちゃったのかなあ。

早くもプールの縁に行こうとする紳君に、思わず私は抱き付いていた。紳君のよく締まったお腹に腕を回して。

「怒ったの? ごめんなさい。もう嘘つかないから、もう少し一緒に泳ごう?」