「お帰り、お疲れ様」

と綾乃さんは言い、部屋に行こうとする紳君を「ちょっと待って」と呼び止めた。

紳君は『何?』という顔をしている。

「ちょっと話があるから、こっちに来て?」

と綾乃さんが言うと、渋々という感じで紳君はリビングへ入って来た。

「これを見て?」

綾乃さんはテーブルの上に置かれた遊園地のチケットを指差した。

「これが何か…?」

「もらったチケットなんだけど、紳一も行かない?」