階段を上がってすぐにドアがあり、そこが優子の部屋らしい。

「奥が紳一の部屋なのよ」

「そ、そうなんですか?」

隣のドアに目をやると、少しドキドキした。

綾乃さんがドアを開け、続いて私も優子の部屋に入った。

エアコンが効いて涼しい部屋の中は、静かで物音ひとつしてなかった。

優子はというと、Tシャツと短パンに着替えた姿で、ベッドに俯せになって、眠っていた。

「あらまあ、眠っちゃってるわ。優子、起きなさい」

「あ、起こさないでください」

優子の肩に手を掛けようとしていた綾乃さんが、私を振り返った。