「高山君はああ言ってたけど、優勝できるの?」

紳君と並んで、ゆっくりと歩き出した。

「さあ…。あの3人はそこそこタイムはいいらしいから、俺次第かもな。俺が足を引っ張らなければ、ひょっとすると、ひょっとするかもな」

「紳君は自信ないの?」

「ない。俺は今回、100のバックに的を絞って練習してるから」

「それなら、なんで紳君がフリーのリレーに選ばれたんだろう」

「女神が着いてるからだそうだ」

「え? 冗談でしょ?」

「いや、本気らしい。現に選ばれたから」

「変なの…」

「ま、出るからには頑張るけどな」

「うん。応援するからね!」

「ところでさ…」

「ん?」

紳君は急に立ち止まり、真剣な顔を私に向けてきた。