私は今、紳君にキスされてる?

何で?

「これで分かっただろ?」

「ううん、わかんない」

「おまえ、俺の事おちょくってない?」

「そんな事は…きゃっ」

今度は紳君にギュウッと抱きしめられた。

「紳君?」

「好きだよ」

耳元で、紳君がそう囁いた。

「分かったか?」

「でも、池谷さんは?」

「あいつの事は、何とも思ってない」

「だって、あの子と付き合ってるんでしょ?」

「あいつが勝手に言い触らしてるだけだ」

「あの子の方が条件がいいよ」

「そんなの知るかよ。俺はおまえがいいんだ」

「本当なの?」

「ああ」

「嬉しい。夢みたい…」


【綾乃Side】

早く着き過ぎちゃったかしら?
もう一回りしようかな…

恵子ちゃん。作戦成功、おめでとう。


(完)