「うん、恵子ちゃんよ」

「ああ、恵子ちゃんね! 優子がいつもお世話になっちゃって…。どうぞお上がりになって?」

「突然おじゃましてすみません」

「あら、そんな事気にしないで? 恵子ちゃんならいつでも大歓迎よ。娘の大切なお友達ですもの」

娘?

その女性は少し年の離れた優子のお姉さんか、あるいは親戚か何かかなと思っていて、優子のお母さんという可能性は全く頭になかった。

だって、どう見ても三十歳そこそこにしか見えないんだもん。

「あの…、ひょっとして、優子のお母さんなんですか?」