「紳君から先に言って？」

砕けるのは、なるべく先に延ばしたかった。

「いいのか？」

「うん、いいよ」

「分かった。おまえに聞きたい事が２つある」

「２つ？」

「ああ。ひとつ目は、田中の事なんだけど…」

「ああ、田中君が私と付き合うと言ってる話でしょ？」

「どうして知ってるんだ？」

「小林君から聞いたよ」

「小林かあ。あいつ、他に何か言ってなかったか？」

ん…どうしよう。紳君が私の事を本当に『水上の女神』と言ったのか、本人に聞いてみたいけどな…