「田中君、触らないで!」

私はその手をパチンと叩いた。

一昨日の帰りに、田中君が後ろから来て、私の肩に手を乗せた事を咄嗟に思い出し、また田中君だと思ったから。

ところが…

「痛えなあ。田中じゃねえよ」

この声は………、嘘でしょ!?

「し、紳君?」

紳君が、苦笑いしながら立っていた!

私は慌てて立ち上がろうとして、テーブルの裏に腿を思いっ切りぶつけてしまい、『ガタン』と大きな音をさせてしまった。