その日の放課後も、私は図書室で勉強をし、夕方になると窓越しに中庭を見つめた。

もしかすると、という淡い期待を描いたけど、今日も紳君の横には池谷さんがピッタリ寄り添っていた。

私はテーブルに突っ伏し、ハアーと溜め息をついた。

我ながら、未練がましいなあ…


また田中君に会うと嫌なので、10分以上経ってから図書室を出て、独り寂しく家路に着いた。


次の日の休み時間、クラスの女子が話し掛けてきた。

「杉下さん、1年の可愛い男子が来てるわよ」と。

……紳君!?