「そうかなあ。私には付き合ってるようにしか見えなかったし、紳一は恵子の事、好きだと思うけどな…」

「そんなわけないじゃん。いい加減なこと言わないでよ!」

紳君が私を好きだなんて、有り得ない。もしそうだったら、他の子と付き合うはずがない。

もしそうだったら、私をあんな冷たい目で見るわけがない。

「ごめん、恵子。泣かないで?」

え?

私はいつの間にか泣いたらしく、涙が頬を伝わった。

「ゆうべもいっぱい泣いたんだね?」