やっと午後の授業が終わり、担任のホームルームも終わった。

「優子、帰ろうか?」

「うん、あのさ…」

私が鞄を持って声を掛けたら、優子が何かを言いにくそうにした。

まさか、『やっぱり今日は来ないで』って言うのかな。

「裕樹も一緒でいいかな? ひとつ手前の駅までなんだけど…」

そういう話か…。よかった。

「それは全然オッケー。ごめんね、二人の邪魔しちゃって。私に構わずイチャイチャしていいからさ」

「恵子ったら…。イチャイチャなんて、するわけないじゃない」