しばらく歩いていると、前方に私と同じ高校の男女が、並んで歩く後ろ姿が見えて来た。

男子の方は、見間違うわけもなく紳君だった。隣のショートヘアの女子は、図書室から見た、優子似の女の子に違いない。

「お! あれは篠原じゃねえか?」

「………」

「隣は池谷か…。やっぱりあいつら、付き合い出したらしいな」

「え?」

私は田中君の言葉で、思わず立ち止まった。

紳君があの子と、付き合い出した…!?