今日も私は『姉貴の友達』と紹介された。

「俺、田中直樹。よかったら直樹って呼んでよ。よろしく」

呼ぶわけないじゃない!

「あ、杉下です。よろしくお願いします」

「よろしく」

え? 田中君はもう一度「よろしく」と言って、私に手を差し出していた。握手しようって事?

親しくもない男の子の手なんか握りたくないなあ。というか、紳君以外の男の子には触りたくない。

どう拒めば角が立たないかなあ、と考えていたら、小林君が田中君の手をパシッと叩いた。