次の日も、図書室から中庭を見て、紳君が来たところでダッシュで中庭へ飛び出した。

紳君は、私を見てなぜかフッと笑った。

「また、ハアハア、会っちゃったね?」

「ああ。奇遇だな?」

「ほんと、ハアハア、だね?」

今日は昨日の小林君の他に、もう一人男の子がいた。小林君のようにプールの塩素で脱色された茶髪ではなく、明らかに染めた茶髪で、見るからにチャラそうな感じの男の子だ。

「こいつも水泳部で田中っていうんだ。こっちは、姉貴の友達の杉下さん」