おまえの後半の泳ぎの素晴らしさに、俺は感動したよ」

「え、そんな…」

「県の記録を出したっていうのは、伊達じゃないなと思った」

「ありがとう」

「俺さ…、ここ何日かここで泳いで、やっぱり水泳が好きなんだなと思ったよ。タイムが伸びなくて水泳なんて嫌いだ、と思ったんだけど、焦ってただけなんだと思う。

タイムも大事だけど、水泳を楽しむ事の方がもっと大事なんじゃないかなと思うんだ。だから、バイトを辞めて水泳部に入ろうと思う。おまえはどう思う?」