「はあ? おまえさあ、その後の俺の話、全然聞いてなかったわけ?」

「え? そう言えば何か言ってた? ごめんなさい。もう一回言って?」

私は紳君の肩に手を触れてお願いをした。でも、

「もういいよ」

と言って、紳君は肩に掛けた私の手を振りほどいた。

でも、とても大事な話を聞き逃した気がして、なおも食い下がった。そもそも紳君が私に意見を求めるなんて、初めてだと思うし…

「紳君、お願い。もう一回言って?」

「分かったよ。急に変な事言った俺も悪かったしな。