よく分からないまま靴を履いて部屋から出ると、夜風がひんやりと当たる。

少しずつ酔いが覚めてきたみたいだ。

僕の眠気も覚めてきて、ふと隣を見ると、なぜか心ちゃんが僕の腕を掴んでいる。

…というより、これは腕を組んでいる?!

僕は慌てて彼女に謝った。

「ごめん!僕また寝ぼけてたみたいで。」

「気にしないでください。もうその角がうちなんで、少し寝てくださいよー。」


…と話しているうちに、マンションの渡り廊下の突き当たりにきた。

表札には「佐々木」とかかっている。