「渉も中学生だし大丈夫だろ」

「……」



あたしを引き止めた手も
水族館の入り口に渉の姿が見えると
自然と手はあたしから離れた。


「もう!二人とも遅いよ」

待ちくたびれたように
渉が言った。

「ごめん、ごめん」

あたしたちは4時から始まる、
イルカショーを見に行った。