「おぉ、かっこいいねー翔。
 知佳ちゃんが惚れるのもわかるわ。
 でも、俺も諦めない。
 朝食の時間だから後で来いよ、じゃっ」



俺も諦めない、
なんてよく言うよ。
あたしのこと
そんな好きじゃないくせに。
翔の言う通り、
大勢いる女の人の一人なんでしょ。



「兄貴のこと気にすんなよ?
 兄貴の奴、
 今まで気になった女を
 自分の物にしてきたから
 自分に向かない知佳に
 ムキになってるんだよ」


「そうなんだ;」



そりゃそーだよね。
お兄さんに好きになられたら
誰だって好きになる。
あのルックスだもん。

整った顔に
メッシュの入った金色の髪。



あたしから見ても
かっこいいと思う。
でも…問題なのは性格。