「なっ何でもないよっっ」

明らかな嘘をついた。


「知佳ちゃん、顔真っ赤だけど。翔も。
 もしかしてヤった?」


自分でも顔が熱くなったのがわかった。
首を横に振る。


「…あーよかった!」


へ?よかった???



「?」

「知佳ちゃん‥俺としない?」


は?
そのお兄さんの軽い一言に
言葉を失った。
そんな、
あたしを見て横から翔が口を開く。


「っほんと!何なんだよ、兄貴!!
 兄貴にとっては
 知佳は何人かの女の一人かもしれねぇーけど、
 俺にとっては
 たった一人の女なんだよ!
 だから
 絶対兄貴に知佳は渡さない」