「おばさん、このだし巻き卵おいしい♪」

「そう、よかった」


食事を終えると
部屋に戻ろうとする渉を引き止めた。


「ねぇ、渉。
 この後、山行こうよ」


夏といったら
水樹家では山だった。
なんか翔は誘いづらいし、
渉を誘った。




「うん!行く、行く!!」

予想通りの反応に
あたしはほっとした。
だけど……
すぐに翔の顔色は変わった。






「?…どうしたの?」


「ごめん、ちか姉‥
 僕、夏休みの宿題やらないと‥
 だからさ、
 翔兄ちゃんと二人で楽しんできてよ」



翔‥‥と、二人…………???
二人ぃぃぃ!!!!!!