そう言って成瀬くんは部屋を出て行ってしまった。

何で?そんなに、薬が嫌だったの?


成瀬くん…ごめんね?

私はベッドから起き上がり、フラフラしながらもリビングへ向かう。


「成瀬くん、あの…」

「伊吹?!まだ、治ってないんだから、寝てろよ」


何で?何でさっきは怒ったのに、優しくしてくれるの?

成瀬くんがわからない。



涙が溢れそうになり、私は顔をそらした。

そんな私の行動を不思議に思ったのか、成瀬くんが近づいてきた。



「伊吹?」

「…何?」

「もしかして、泣いてる?」

「…泣いてない」