急いで追いかける。


角を曲がった所で俯いて立っている彼女を見つけた。


いた!


良かった……


男は気づいた。


この場には自分一人しかいない。


彼女を僕のものにするチャンスだ!


クククッ


男は彼女に近付いた。


手を伸ばす。


もう少しで君に触れられる!


3cm


2cm


1cm


男の手が彼女に触れる寸前―――

ガシッと手首を掴まれた。

「なっ!?」

誰だ!せっかくのチャンスを邪魔する奴は!?


睨むように見ると、手首を掴んでるのは

黒いスーツを着た整った顔の男だった。


「ストーカーみーつけた」

ニヤリと男は笑った。