「やっ!離してください!」

手を外そうとするけど、男の人の力にはかなう訳ない。

どんどん近付いてくる浅霧さんの顔。

嫌だ!

私はせめてもの抵抗で顔を背けた。

と、同時に緩くなる手首。

その隙を突いて私は浅霧さんを押しのけ入口に走った。

しかし、すぐに腕を掴まれて壁に押し付けられて……

そして………


「んっっ!」

唇が重なった。