一人あたふたしていると奈津くんは不思議そうな顔をして、

「綾?どうした?」

と声をかける。

「えっいや何でもないよ!」

あたしいいのかな。

みんなの奈津くんとこんなに近くで話せるなんて。

後が怖いな…。

「そうか?…じゃあな。綾~これやるよ」

ポーンと投げられあたしの手にすっぽり入ったのは…飴だった。

ポカーンとした目で見ていたら奈津くんは眩しい笑顔で手を振ってくれていた。

あたしもすかさず振り返した。