奈津くんは走り高跳びの専門みたいで、バーのところにいつもいる。

だからちょうどあたしの真ん前ぐらいに見えるんだ。

「…あれ?」

奈津くんが突然校舎に向かって走り出した。

ファンの女の子たちにはたまらないというカンジだった。

「忘れ物かな…」

タッタッタ…

軽快な足音が響く。

ガラッ

「…奈津くん」

「おぅ綾じゃん。いつもサンキューな」

初めて話しかけられて顔がたぶん真っ赤…

しかも名前覚えてくれてたんだ。