「っていうか、あの人こんな晴れた日に何でカッパなんか着てるんだ?
気味がわりぃ」
すると男性は真顔でこう言った。
「雷鳴に気をつけろ」
「……えっ?」
雷鳴?
男性は昇一に背を向けて歩いていった。
「訳わかんね」
昇一も背を向けて走り出すが、気になってもう一度振り返った。
が、まだ近くにいる男性の姿はなかった。
「うわっ!!
何なんだよ」
あまりの奇妙な出来事に、しばらく膝を落としてしまい動けなかった。
「……雷鳴。
って雷のことか?」
夢と現実の間に惑わされた昇一は思いきり頬をつねる。
予想以上に痛かった。