「僕の事を覚えていますか?」 「あ、はい。……木住野稔さんですよね?」 彼の問いに答えると、彼はコクリと頷いて返す。 「何か困った事があったら何でも聞いて下さい」 「あ、ありがとうございます」 小さく彼に礼を言うと、彼はそのまま元居た窓際の席に戻った。