「そんで、また“好き”って言えなかったの?」
大学の近くのコーヒーショップ。
あの後、
瑠衣と優羽と別れたあたしは、ただひたすらに走ってここに逃げ込んできた。
そして、
電話をかけて、親友の工藤千秋(クドウチアキ)を強引にここに呼び出した。
「今日はちゃんと言おうとしたんだよ…」
「いつも、それは聞いてます」
「うー///、千秋ー…」
今日は本当に言おうとしたもん。
優羽に邪魔されただけ。
瑠衣に“ずっと好きだったんだよ”って
今日こそ、ちゃんと言おうとしたもん…。
「瑠衣の奴も本当に鈍いよねー」
ため息まじりに、千秋が言った。
千秋も瑠衣の事は知ってる。
中学校から今の大学までずっと一緒だから。
あたしと瑠衣と優羽と千秋はいつも一緒の親友。
だからあたしは、
今まで素直になれなかった。