旅館に着いてからは到着式だの、
荷物整理だのであっという間に時間が過ぎた。

『…ねぇ、ぇっと…桜井さん??』

『はい?』

私が部屋でお風呂の準備をしていると、
後ろから名前を呼ばれた。

彼女の名前は、安藤紗耶香。
今まであんまり話したことなかったけど、
私のイメージでは《アネゴ》って感じな人。
背が高くて、かなりの美人さん。
初めて見たときはちょっと怖いかも…?
って思ったけどミヤから聞く限りそうでもなさそう。
あ、ちなみに安藤さんはミヤと同じ班なんだ。

『あのさ、ウチも《サクラ》って呼んでいい??』

『…えっ??』

『だめ??』

『え、あいやダメってことは…』

『じゃぁ、決まり!!ウチは《サヤカ》でいいから』

『あ、うん。』

『ウチ、前からサクラと話してみたかったんだ−』

『そっそうなんだぁ〜』

わわっ!!どうしよう…。
いきなりそんなに話せないよ〜!!
気っ気まずい…。